Soil Dr. Report(ソイドク)Vol.2 北海道肥料株式会社

現場通信
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Soil Dr. Report(ソイドク)Vol.2

※ソイドクとは、ソイル(土壌)、ドクター(医師)の略です。
一般財団法人日本土壌協会の資格認定された土壌医(土壌医1級)の立場で北海道の生産者やその関係者に、旬な栽培技術情報や役立つ有益な情報を発信いたします!

投稿者:西の横綱 / 技術普及部土壌医 / 2022.5月

◆秋小麦の起生期の状況
積雪量が多い地域では起生期が遅くなることが心配されましたが、全道的に一気に雪が溶けて例年並みの時期に起生期を迎えられた地域が多かったと思います。茎数はやや多いように感じられる圃場も多くありますが、全体的に雪腐れ病も少なく順調な春のスタートになっているのではないでしょうか。

◆Dd化成を使用した圃場の起生期生育
基肥にDd化成を使用した圃場の生育についてご紹介します。基肥向けDd化成(Dd708Dd778)は起生期追肥の省力を目的に基肥時に起生期追肥分もまとめて施用します。今年の越冬後の生育はどうかといえば・・・

2枚の写真ともに左がDd化成圃場、右が慣行圃場になります。まず圃場全体を比較すると外観上は「同じでしょ?、これなら起生期追肥した方がいいんじゃないの?」と思われるかもしれません。しかし株毎の生育を比較すると、Dd化成圃場では根元と茎が太いことがわかると思います。
このような差が生じた理由は、普通は基肥を増やしすぎると窒素過多による過剰生育や軟弱徒長の原因になりますが、Dd化成の特徴である安定した肥効の持続効果によって、窒素過多にならずに越冬前の生育を充実させることができたからです。これだけ太い茎が確保できれば越冬後も光合成が上手くできますので健全な生育になり、追肥をしっかり消化できる株になります。そのため、増収に向けて思い切った追肥もできますよね。
Dd化成は起生期追肥の省力だけでなく、秋小麦の健全な生育を促す目的でも活用できます。当圃場の今後の生育に期待していきたいところです。

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